ダナン国際マラソン参戦記 ~マラソン戦闘編~

勝てるマラソンをしなければならない

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これは結構プレッシャーです。実は、事前の調べでこのレースの勝率は割と高いとは思っていましたが、実際にはスタートラインに立ってスタートしてしばらくしないとその結果はわかりません。

実際に過去のレースで優勝することを前提に参加して100mでさじを投げた経験があるのでやりきれるかどうかということにスタート直後まで不安だらけでした。

勝てる戦略を考える

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早朝のスタート会場

今回はぶち抜かれることはないと踏んでいたので前半の10kmで動きをみて出方を決めることと、僕の筋力的持久力がたぶん足りないとは思っていたので35km以降は絶対にグダグダになるからできればそれまでに流れを作りたいなという気持ちがありました。

ちなみに僕のレーススタンスは「楽しいほうを選ぶ」というのが信条でして、レースを行うときに例えば前か後ろかと悩むタイミングが必ずあるんですが、そんなときは無茶ではないと判断したら前に行くことをします。普通の人なら引いてしまうタイミングで前に出れる覚悟があるのが僕は良さだと思っています。まあ、だから時には外すんでけど、でも終わってあれこれ後悔するならやりきりたいんですよね。

当日にやること

①ちゃんとAM0時~0時30分までに起きてAM1時くらいからご飯を食べてシャワーを浴びる。

大体いつもやっているルーティンです。早朝なんで体を起こす目的でシャワーも浴びるんですが、ウォームアップ方法の一種で体を温める方法論の一つですね。寒い日のレースにはそれなりに有効ですが、その後体を冷やさないようにするのが重要ですよ。

食事はとにかく時間をかけてもゆっくり噛んで食べる。胃に負担をかけないためです。僕は20~30分くらい時間かけて食べてる時があります。

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朝は脂肪を抜いた牛丼を米メインで食べました。米があんまり美味しくなかったござる

②スペシャルボトルを置きに行く

AM2時~3時はスペシャルボトルを預かってくれます。いやね、預かってはくれるんですけどね・・・

③アラカルテホテルで待機して休む

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アラカルテホテルです

会場からもっとも近いホテルに泊まる仲間の部屋でくつろぐ。暑い気候でレースするので気張ってウォームアップを早めにやっても仕方がないのでのんびりしていました。注意点がフロントがクーラーで寒すぎるので体冷やさないように。

④AM3時くらいから会場で体を慣らし始める

環境に体をなじませていくことと何よりも便意を上げることが目的です。便意は大事ですよ!体を動かして腸を刺激すれば出ますから!あ、でも簡易トイレが電気つかなくて真っ暗でした。怖いのでホテルを利用したほうがいいです。

⑤AM3時40分 スタートラインに並び出す

スタート前です!

まあ、人数それほど多くないし、東京マラソンのように厳密ではないので普通にギリギリでよかったけどね。

それにしてもなんだか海外のレースは強さが未知数!足とか体とか動きとかいろいろ見てると強そうな人がちらほら。うーん。どうなるんでしょうね。

⑥スタート20秒前

なんとみんなが並んでいるところってスタートラインから10mは離れてます。

ご覧の通りです。ゲートの下にセンサーがあります。

誰もなにも言わないからみんな前に出ないんです。結局、一緒に参加していたNさんがみんなを誘導するという状態でした・・・。

 

【レース序盤】

一緒に走ったNさんのスタートダッシュを宣言通りに決めて開幕しました!

その後すぐに選手交代でなんとなく予想していましたが私が先頭を引っ張る展開です。

実は、勝てばいい!というレース展開で先頭引っ張る気がさらさらなかったのですが想定したペース感覚よりも遅かったので結局自然と先頭を引くことになりました。

最初のはいりは確か3分30秒ちょいです。Avを3分40秒~45秒くらいで目指しているのでこれでは速いです。微妙に落とすように揺さぶってもだれも前に出ないからこれは削り合いだな~ということで、3分40秒付近までペース落としました。

3kmの折り返しまで問題なく流れていきました。折り返しのカーブがあるんですがカーブだけで10mくらい差がついてしまいました。あれ?実は先頭メンバーはレース慣れしてないのか?

折り返しの際にNさんから「集団に7人いるよ!」

とアドバイス。そう後ろ一回も見てなかったので助かるアドバイス。4km地点超えた際にちょっと全体をもう一度チェックしようとすこし後ろに下がって全体を確認しました。そう、そしたらこのレースの特徴を忘れていました。

実はこのレース。ハーフマラソンと同時スタートなんです。

ハーフマラソンは後ろからスタートと早い人にはえらく優遇されてないのですが、このくらいの距離を走ると流石に追いつかれるんですね。で、先頭集団が5名ハーフと僕を含めた3名がフルのランナーでした。いやー、見逃すとこでした。

ハーフがフルマラソンと同じペースなら前にいる必要がなおさらないんです。だって引っ張ってくれるんだし。ということで、5kmからはずっとペースはハーフのメンバーに委ねることにしました。

そして。。。ここで事件がおきました。。。

6km手前。スペシャルさんの登場です!

が。。。取れないかった。

なんと、まったく準備をしていない上にスタッフがテントにいて取れません。。。ここのオペレーションを見てわかったことはスペシャルに頼ってはいけないということです。スペシャルにジェルをくっつけていたら死亡していました。危ない。

ちなみにこのレースのいいところを上げると、給水がボトルでもらえます。めっちゃありがたいです!というか、生水が飲めないからその対策だと思いますが、水を自由に使えるような感じです。でも、「エネルギー系」は一切ないのでそれは自分で準備が必須ですよ!

10km手前。

ハーフのペースがおおよそ75分~76分くらいがゴールタイムだなと感覚的に感じました。このままオーバーペース必至ですが、他の選手を出し抜くチャンスだな。どうするかな。。。

結構悩んでいたんですが、振り向くのもやめてハーフの選手にくっつくことにしました。

この勢いで走ってだしぬけて逃げ切れたら面白いな。

そんな単純な理由です。ハーフの選手はもちろん2周目はいないので一人旅確定ですが

11km~13km。

コース最大の難所である橋の上り坂。

写真は僕ではないですがなんとなく急そうな坂があるのがお分かりいただけますか?

ここで一時先頭に立ちます。ハーフの選手が思ったよりも上りが走れないせいもありますが、ペースが乱れたので前に出たんです。下りに入ってからは逆に減速して後方で待機しましたが、15kmを超えたところで先頭の選手がスパートしました!

もちろん2周目走ることが目的なのでついていかないのですがリズムを守って走ってもハーフの部でも3位入賞してしまいました。

通過タイムはたぶん77分ちょいくらいです。予定よりも3分ほど速い展開です。

ハーフマラソン通過時

しかし、ここで事件がおきました。。。

一応国際大会でフルマラソン首位を走るランナーなんですが扱いがちょっとひどいなと感じながら走っていたんです。なんか認識されていないというか。。。

予想は的中して、なんと誘導員が僕のコース誘導を理解していなくてゴールゲートに突っ込んだ私。割れんばかりの拍手と笑顔をよそに焦りと怒りでブチ切れる私。。。

結局ゴールゲートを大回りしてコースインし直して冷静さを取り戻して2周目に突入。先導車両も慌ててサイレンを鳴らして追いかけて前にでて、中国人のバイク監視軍団が慌ててサポート。

1周目のときは「水がほしい!」と17km付近でボトルを取り損ねてジェスチャーしたのに軽く流されてちょっとむっとしたくらいなんですが、なんとそこから手厚いことに、ゴールまでずっとおんなじ人が伴走してくれてコース安全と給水サポートしてくれました。

2周目24km地点。

後方との差をチェック。うーん。一体どれくらいなんだろう。

いま思うと、そのときは2~3分はついたかな?そんな風に思っていました。でも改めてコース地図をみると5分近い差はついていたかもしれないです。完全な独走態勢ですが、冷静に自分の身体状況を分析してもペースが落ちるのは明確だったのでこっからは我慢比べだな。

そうおもいながら走っていましたが30km手前、いよいよ身体が辛い。暑さで汗も止まらない。ペースも1km4分付近まで落ちてきました。なんとか35kmまでこのまま維持出来れば勝てそうだなと思いながら走っていましたが正直何度かもう少し手を抜いてもとか、歩きたいなとか考えてしまいました。

後ろにはそれなりの距離があるし、手を抜いても大丈夫じゃね?とか、もうよく頑張ったじゃんとか考える度に、今回のレースでいろんな方が支えてくれていたし、応援もしてくれています。その人が僕があと10km粘って勝つことができれば本当に喜んでくれる

そう思ったら我慢できました。

経験のあるペース感覚のズレ。ラップほど時が進んだ気がしないこの感覚。

そして来ました、橋の坂!悶絶。ついつい後ろが気になる。こんなに落ちたらさすがにもう見える位置まできたんじゃね?

「No behind !」

隣で2周目からずっとサポートしてくれた中国人バイカーさんの勇気をくれる言葉に助けられました。ただ・・・ボトルの水を背中からぶっかけるのやめてください!ウェア重くなる!

結局、それが原因でシューズがビショビショで血豆が大量生産されたとさ。

あと、すんごくすんごくありがたいしうれしいのですが・・・

1kmごとに「ウォーター?」と聞いてくるのですが、断る体力も言葉もないので勘弁してください。ちょっと申し訳ないけど後半から手で断るだけでした。

とにかくペースが落ちているから不安なんです!追いつかれないかと!

後ろを見ようとしたら「No behind ! Don’t worry 」といわれるから信じていたので途中から後ろ見るのやめてとにかく全力で前を向いて走ることにしました。

最後の直線3kmはゴールのビルが見えるがゆえにまだまだかと苦しくて本当につらかったです。身体も限界で、ちょっと間違ったら倒れそうでしたが、不思議とゴールに吸い込まれるごとに大きな不安がなくなり、喜びと共にペースが少しづつ戻ってきました。

真っ暗な闇からスタートしたレースはすっかりと明るい陽射しと朝のフィットネスに出かける人たちでにぎわっていました。

もう給水もいらない。ゴールするだけだ。後ろも見えないし、いない。

やっとゴールしました!!!(2度目w)

でもポーズを決める余裕もなくてすぐに倒れました・・・

いや、本当につらかったんでしょうね。実は優勝のポーズもろくに撮れていませんでしたorz

あまりにも辛くて終始一緒に走ってくれた中国?のバイカーさんに起こしてもらい支えられながら救護室に運ばれました

サポート本当にありがとうございました!本当にうれしかったです!

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レース日直前に仕事を調整してハーフに参加したクライアントSさん

本当に応援&ハーフランお疲れ様でした!

Nさんも5位でフィニッシュ!本当にやられたみたいでゴール後の写真やばかったです。

心配した初出場のケントくんも5時間30分を超えてやっとゴール!みんなお疲れ様!

一緒に参加してくれたIさん!

Iさん撮影を重視してなんとハーフでやめて写真係にw

でも記録上ではゴールに。なんで?じつは遅れてゴールしたケントくんの写真を撮ろうとゴールゲートの隣を通過したらセンサーが反応したそうです。ちゃっかりフィニッシャーズTシャツもらってるし。

いや、本当に大変でした。終わったらやっぱりまともに歩けませんでした。

本当に優勝できてよかった。。。

あ、3日後に正式タイムでてました。

【正式タイムはコチラ】

蓋を開けば実は7分差がついていました。前半は77分だったので後半は85分もかかったことになります。本当によく頑張って支えました。

気象条件は平均26度で湿度80%を超えたそうです。これで晴れだから湿気はかなりつらかったですね。汗本当に大変だったし。

7分を持て余して余裕のレースもできたかもしれませんが、こうして手を抜かないで冒険できたからこそ得た価値ある勝利だったと思うし、気候条件から考えればそれほど悪い結果ではないので良しとします!

なにより人生初のフルマラソン勝利!目的達成できただけでもOKです!

本当に応援してくださった皆様ありがとうございました!

=KANATA=